荒息袋(あらいきぶくろ)進化論〜この記事はおおむねフィクションです〜

先日,出張先に向かうため,バスに乗る機会があったのですが,バスの中でぼけーっと窓の外を眺めていると,とあるバス停で女子高生の集団がドタドタと乗り込んできました。
女子高生集団は,バスに乗るために猛ダッシュをしてきたらしく,席に座った後も,1分近く「ぜはーっ,ぜはーっ,ぜはーっ」と息を切らしておりました。
しかも,私の席の二つ後ろのあたりに集団が座ったため,荒ぶる息だけがえんえんと背後から聞こえてきたため,はじめは「まったくもう,いつまでもうるさいなあ」と思っていたのですが,1分近く聞いていると,「なるほど,これはあり得る!」という思いに至ったのです。


どういうことかと言いますと,昔のおもちゃで笑い袋というのがあったじゃないですか(今でもあるのでしょうか?)。布袋の中に入った機械のスイッチを押すと,ただただ笑い声がいつまでも響き渡るというシンプルなおもちゃ,笑い袋です。
それの類似品で,「ぜはーっ,ぜはーっ」と,ただただ荒ぶる息を録音した機械を「荒息袋」として売り出せば,荒息マニアは歓喜するのではないでしょうか。

しかし,荒息袋を売り出してしばらくすれば,「荒ぶる息など,品がありません。大人のたしなみとしては,柔らかで穏やかな品のある息にこそ価値を見出すべきではありませんか」という吐息マニアの主張が高まり,荒息袋の類似品として「吐息袋」が発売されるのでしょう。

しかし,吐息袋を売り出してしばらくすれば,「マニアに向けてのみ販売するのではなく,もっと広い層をターゲットにした商品を作るべきではありませんか」という,開発者側の主張が高まり,荒息と吐息の良いとこ取りをした抑揚のある「あえぎ袋」が発売されるのでしょう。

しかし,あえぎ袋を売り出してしばらくすれば,「あえぎに至る過程やあえぎ進行中の状況など,あえぎの裏側に潜む真実を映像と音声で知覚できるようにすべきではありませんか」という知的探究心に満ちた顧客の要望が高まり,あえぎの一部始終の映像をDVDやBDに収めた「あえぎ袋可視化ディスク」が発売されるのでしょう。

しかし,あえぎ袋可視化ディスクを売り出してしばらくすれば,「あえぎ袋可視化ディスクに収められたあえぎを体験できるようにすべきではありませんか」という実体験重視軍団の主張が高まり「店舗型あえぎ袋疑似体験サービス」が提供されるようになるのでしょう。

しかし,店舗型あえぎ袋疑似体験サービスを提供してしばらくすれば,「派遣型あえぎ袋疑似体験サービス」が(以下略)


このように荒息袋から派生して,現在の日本の性風俗産業が発展していったそうじゃ。
とっぴんぱらりのぷぅ。