ゆきすぎたひとりあそび〜今日は昨日ではなく明日でもないことを確認するためのひとりあそび〜

仕事で忙しい日が続くと,疲れて何もする気が起きなくなるので,必然的に,夕飯を食べて適当にネットをして,ベッドの上でうだうだして寝るだけ,というワンパターンな毎日になってしまうことがあります。
だもんで,「今現在,今日だと思っているこの瞬間は本当に今日なのだろうか」という疑念が一瞬よぎったりすることがあるのです。
もしや,実は先ほどから今までの3時間は,昨日の20時から23時の時間帯をコピーして貼り付けているだけ,なのでは,とか,
そもそも,今日だと思っている今この瞬間は,昨日ではなく,実はすでに明日なのでは,とか。
こちらが気を抜いているのにつけ込まれて手を抜かれているのでは,とか。
そうだ,ならば,こちらが気を抜いていると見せかけて,むこうが油断している隙を狙って,全力で200メートル程ダッシュすれば,背景が白黒になっている地域が現れて,手を抜かれていることを見破れるのでは,とかなんとか。


まあ,むこうが油断している隙を,とか言っても,むこうが何なのかはよくわからないのですが,いわゆるそういう感じっぽいニュアンスの気分のようなニュアンスの感じなのですよ。


要するに,それほどまでに,判で押したような日が続くことがあるということなのですが,そうなると,流石に,昨日の今の時間帯と少しは違うことをしてみようかしらとは思ってみたりするものの,それほど多趣味でもないのですることがなく困ってしまうのです。
そのような時に,「そうだ,こうなったら,最近口にしていない単語でもつぶやいてみよう」と戯れに思いついたのです。
昨日と違う行動の時間帯ばかりにすれば,昨日の20時から23時の時間帯をコピーして貼り付ける方法も取れないだろう,と。


ガリバートンネル。」「ロッテンマイヤー先生。」「デフレスパイラル。」「ゲシュタルト崩壊。」
いくつかの単語を無意識中から思いつくままにつぶやいてみて,これはいける!という確かな手応えを感じたのですが,1週間も経つ頃には,この作戦が失敗だということに気づかされました。
というのも,口ずさんでみて,気持ちの良いリズムの単語の傾向がどうしても偏ってしまい,例えば,「ねじれ国会」よりも「シビリアンコントール」の方が呟くのに適したリズムですし,「オクトーバー」よりも「セプテンバー」の方が洗練されているわけです。
どうしても,自分好みの単語の傾向というものが無意識的に影響してくるので,
あっ,昨日もおとといも「ロッテンマイヤー先生」と呟いたばかりではないか!
というようなことが増えてくるわけです。
そうなのです。「バッファローマン」や「バーバモジャ」では駄目なのです。断然「ロッテンマイヤー先生」なのです。


そうなると,「昨日の今の時間帯とは違うことをしてみようという試み」は結局のところ失敗に終わってしまうわけで,ふりだしに戻ってしまったわけなのです。
まっすぐな道だと思って走ってみたら,実は道がメビウスの輪のようになっていて,しばらくしたら元の地点に戻ってきちゃった・・・みたいな感覚に陥り,「してやられた!」と思ったとか思わないとか。