さらばユニバース

先日、凍てつく寒さに身を震わせ、近所のスーパーマーケットに入ると、暖房がしっかりと
効いており、非常に暖かかったため、命拾いをしたような思いがした。


しかし、ほっと一息ついたのもつかの間、「こんなにも暖房がしっかりしていたら、アイスは
溶け出し、生鮮食品類は傷んでしまうのでは」と不安に思い、商品が並べられている棚に手を
近づけてみたのだが、当然のことながら、しっかりと冷風が吹いており、アイスは溶けること
もなく、生鮮食品は傷んでいるはずもなかった。


しかし、ほっと一息ついたのもつかの間、「こんなにも冷房がしっかりしていたら、建物全体
の温度が下がってしまい客の入りが悪くなってしまうのでは」と不安に思い、天井を見上げて
みると、通風口のような所から温風が休みなく吐き出されており、入ってきた当初と変わらず、
一定の温度が保たれていた。


しかし、ほっと一息ついたのもつかの間、「こんなにも暖房がしっかりしていたら(以下略)。」


なんか変だ!!


私は思った。
世間では、やれ、エコだエコだ、それ、わっしょいわっしょいと
「地球を守ろう」的なことが声高に叫ばれており、私の利用するこのスーパーでも、エコバックの
使用を大々的に呼びかけ、エコ精神をアピールしているにもかかわらず、「暖めようという意思」、
そして、それと相反する「冷やそうという意思」が同じ空間内でフル稼働しているという、エコ精神
とは相反する状況が、まかり通っているではないか。


この空間には矛盾が充満している、
そう憤りを感じつつ、必要なものを購入して、私は帰宅した。
帰宅した私は、憤慨した気持ちを抱えたまま、風呂上がりに、
ぬくぬくと暖めた部屋で、買ってきたばかりのひえひえのアイスをはむはむと堪能しているうちに
まあ、なにも目くじら立てて怒るようなことでもないよねー、ふはふは、
という思いに至りました。


さらに、「『スーパーにおける温風と冷風が特にぶつかり合うような空間では、プチメドローア的な
ものが低確率で自然発生し危険なのではないか』という発想を基に、アメリカンジョークが作れそうだ」
ということの方に興味が移ったために、エコ問題は解決したのであった。
めでたし、めでたし。