君の名は

fige2007-11-18

部屋に,虫が出ましたよ。全長3センチメートルの焦げ茶色の虫ですよ。
見た目は地上最恐の生物を思わせる形状ですが,いやいやまさか,築4年弱の
部屋にそんな生物現れるわけないよね,何か別の虫だよねと気になりつつもそれ以上
深く追求することはやめて,部屋から追い出すことに全力を注ぎました。
まずは気持ちを落ち着かせるために謎の虫を記念撮影です。
(携帯のカメラで,しかも震える手で撮ったため写りが良くない)


作戦その1「叩きつぶす」
→部屋に死汁が染みついたら嫌なので敢えなく断念。


作戦その2「袋の中に払い落として,謎の虫をベランダからダイブさせる」
→慎重に近づいて,謎の虫を壁からビニール袋の中に払い落とそうとしたら,羽を広げ颯爽と
飛び立ち天井に逃げられたため,敢えなく断念。
繰り返しチャレンジすれば可能な作戦だとは思うのですが,飛び立つ姿を見てヒゲ山の心が
折れてしまったためここでしばし小休止です。


折れた心をなかなか立て直せなかったため,虫に強そうな寮生に電話をかけて
助けを求めようかと真剣に悩んだのですが,男として,いや,漢として,ここで
人にすがるのは駄目だ,小学校の時の教頭先生も「自分のことは自分でせよ」と言っていたじゃないか,
フレーフレーヒゲ山!と,思いを巡らせ,やっとのことで心を奮い起こしました。


作戦その3「食器用洗剤で謎の虫を弱らせた上でベランダに,ぽい」
ここにきて,食器用洗剤を虫にかけることで弱らせることができる,と映画『キサラギ』のやっくんが
言っていたのを奇跡的に思い出した私は,給湯室からファミリーフレッシュを持ってきました。
まずは天井に張り付いている敵を地上にたたき落とそうと思い,左手にファミリーフレッシュ,
右手に伊右衛門茶の空ペットボトルを持ち,ターゲットにじりじりと近づいていきます。
敵も殺気を感じたのか歩みをとめ,両者の間には緊張が漂います。
「お国のために,ホップ・ステップ・玉砕! でいや〜!!」
他の寮生に迷惑がかからぬように,心の中で叫びつつ,ヒゲ山はペットボトルで敵をなぎ払った!
かに思えたのですが,したたかに天井を打ってしまいました。
しかし敵は逃げることなくじっとこちらを見ています。
「おい,お前さん,人を切ったことがないのだろう。やめときな・・,お前には無理だ。」
とでも言いたげに余裕を持ってこちらを見ています。


わなわなわな。
こ,こ,こしゃくな〜!でいや〜!!
やっきになって五月雨伊右衛門切りをおみまいするも,またもや数度ごん,ごん,と天井を打ち付けてしまう
・・が,偶然,その中の一撃が敵を捕らえたのです。
窓際まですこーんと吹っ飛ばされた焦げ茶のかたまりは,思いの外ダメージを食らったのか仰向けになり
足をばたつかせていました。
今だ!!
そう思って,ファミリーフレッシュをひとかけ,ふたかけ,とお見舞いすると,明らかに相手の動きが
鈍りました。
すごいぞ,ファミリーフレッシュ。爽やかなネーミングでありながら,強力な殺戮兵器として活躍するとは,
恐るべしフレッシュ。
とにもかくにも,近くにあったA4用紙数枚をちりとり代わりにして,ささっと敵をすくい上げベランダに,
ぽいです。


ミッションコンプリート。
こうして私のくつろぎ空間に,再び平穏がもたらされたのでした。
めでたしめでたし。