エスパーヤクルト

職場には昼近くになると、ヤクルト屋さんが来て飲み物を売っていくのですが、
私は一度も購入したことがありません。
しかしこの日は暑く、のども渇いていたので何か買おうかと、悩んでいました。


周りの人が次々と買っていく中、私はどうしようかなーといつまでも迷っていたのですが、
そのときつかつかとヤクルト姉さんが近寄ってきて
「何か飲んでみませんか?」
と尋ねたではありませんか。


今まで一言も交わしたことが無かったため、彼女の突然の問いかけに私は激しく動揺しました。
「こ・こいつはエスパーなのか!いや、それとも実は自分がサトラレで、思念波を感じた姉さんが
ついうっかり反応してしまったのだろうか。
だとすると後でサトラレ対策委員会の人たちにつかまって、怒られてしまうんじゃないだろうか。」
などと動揺した私は一瞬にしてさまざまな可能性を考え妄想を楽しみました。


しかしあまりにも動揺したため、その時は
「いっ・いえっ!特には無いですっ!」
と勢いよく断ってしまいました。


去っていく姉さんの目がちょっぴり悲しげだったとです。