男女間に亀裂。砕け散る眼鏡。
①右のレンズ
ブー子:ブー太郎さんの馬鹿っ!死ねっ!カスっ!うんこっ!さきまてぃっ!
私のことが嫌いならはっきりとそういえばいいじゃないの!
ブー太:何を言っているんだい。きみはとっても、ちゃあみんぐだよ、ブー子。
ブー子:嘘よ!嘘!じゃあ、私のどこがいいのか具体的に言ってみなさいよ。3秒以内に!
さあ、さあ、さあ!ほらっ、さん、にい、いちっ
ブー太:そうだね。眼鏡をはずしたときなんか、すごくいいと思うよ。
ブー子:…えっ?……
…ば・ばかっ!やだっ、なーに急に真剣になっているのよ。
私は冗談で言っているんだから、いきなり本気で答えないでよ!(Doki Doki)
ブー太:話をはぐらかすなよ。俺は真剣なんだぜ。
ほら、俺ってすごく視力が悪いだろ。
だから、眼鏡をはずすと、ちょうどいい具合にお前の顔がぼやけて、いいんだよね。
普段のお前の顔ときたらそりゃあまともに見れたものじゃないかr
ブー子:眼鏡ってお前の話かよ!
ガッ!!
ブー太:パリーン。
②左のレンズ
ヘポ子:ちょっと、ちょっと、お二人さん。落ち着きなさいよ。
ブー子:やだっ。ヘポ子ったらいつの間に?もしかして話を聞いていたの?
ヘポ子:もちろんよ。
二人のことが心配だったからあなたのかばんに盗聴器を仕掛けて、ぜーんぶ聞いちゃったわ。
ブー子:まあ、ヘポ子ったら。ふふっ、相変わらずなんだから
ヘポ子:えへへ。ねえ、ブー太くん。さっきの言い方はちょっとひどいんじゃないかしら?
ブー子が眼鏡をはずしたときに見るとよくわかるんだけどね、彼女すごく顔立ちが
整っているのよ。
ブー太:ちょっと待ってくれ。
顔立ちが整っていると言ったけど、それがその人の女性的魅力につながることになるのかな?
芸能界を見てごらん。久本雅美だって、磯野貴理子だって顔立ちは一応整っているぜ。
だからといって他の女優なんかと比べたときに、女性的魅力が勝っているかというと
そうでもないだろう?
君は、ブー子に女性的魅力がないことをカバーするために、顔立ちの整いに言及して
いるようだけど、それは暗にブー子をけなしていることになるんだよ。
いいかい?顔立ちの整いというのは女性の魅力を構成するほんの一要素にすぎない。
それに美人と顔立ちの整いというのも別問題だろう。
そもそも美人と一口に言っても一般的に用いられている「美人」というのは
不特定多数が認める万人受けしやすい美人という意味だから、いわば
「客観的美人」とでも定義できるだろう。
しかし、俺はここに「主観的美人」という概念を提起したい。
つまり多くの人に受けいれられる顔とは別に、個人個人が持つ独特の好みを併せ持った
女性のことを「主観的美人」ということができるんじゃないかと思うんだ。
これはあくまでも個人の好みということを重要視するので、客観的美人にあてはまらない
ような顔の女性でも、どこか一つでも特筆すべき点があれば、その点を好む男性にとっては、
その人は主観的美人だということができるだろう。
つまり、ここでは顔立ちの整い、というのは何の効力も持たないと言っても過言ではない。
わかるかい?この意味が。君がフォローしようとした「顔立ちの整い」という表現は、
俺にしてみれば、とてつもなくナンセンスなんだよ!
そしてブー子は客観的美人はおろか俺の主観的美人にも該当するわけがない。
もっとも、主観的美人の対義語として「主観的ブス」という概念を考えるなら
ブー子が該当することは間違いn
ヘポ子:いつまで否定しているんだよ!!
ガッ!!
ブー太:パリーン。
ブー子:……サクッ…
ブー太:プシュー!