週刊キモパンマンの憂鬱

先日コンビニに行ったときの話なのですが,レジで会計を済ませて店を出ようとしたタイミングで,店員さんに
「いつもありがとうございま〜す」
と声をかけられたのですよ。
通常であれば,「どうもありがとうございましたー」であるはずのタイミングで「いつもありがとうございま〜す」とはコンビニにあるまじき声掛けではありませんか。
馴染みのラーメン屋や焼き鳥屋で「毎度どーもー」的なあいさつをされたことは何度かあるものの,コンビニで親しげなあいさつをされたのは初めてだったため,私はひどく動揺し,(これは,一体全体どういうことであろうか)と自分のコンビニにまつわる行動を振り返ってみました。
すると心当たりのあることが幾つか見つかったのでした。


私が普段訪れるコンビニは,職場からアパートまでの通り道にあるのですが,翌日の朝食用のパンを買うため,そして,少年ジャンプとヤングマガジンとスピリッツと少年マガジンと少年サンデーとモーニングとヤングジャンプを立ち読みするため,私は週に4回以上は同じコンビニに訪れていました。
私は,コンビニを訪れると,手始めに最低20分以上は上記の週刊誌を熟読し,その後,お気に入りの菓子パンを一つ手に取り,レジに行って会計をし,店員が菓子パン一つをビニール袋に入れようとするのを,「あ,そのままでいいです」とさえぎって,菓子パン片手にコンビニをあとにする,という生活を9か月ほど続けていたのです。


なるほど,確かに,毎回同じような行動をとる会社帰りの男がいたら,コンビニ店員の記憶にも残るのかもしれないなあ,と納得したと同時に,私は,オードリーの若林さんの「赤シャツエビソード」を鮮烈に思い出したのです。
それは,アメトーークで話していたエビソードだと思うのですが,簡単に説明すると,若林さんが不動産屋に何度も訪れていた時期のエピソードで,あるとき,その不動産屋に電話をすると,受話器越しに「赤シャツからお電話でーす」という電話の取り次ぎの声が聞こえてきて,若林さんが不動産屋の中で赤シャツ(当時不動産屋を訪れる際は,いつも赤シャツを着ていたそうです)と呼ばれていたことを知ったという話です。


と,いうことは,ですよ,毎回決まったパターンで,コンビニ内で行動している私は,コンビニ店員の間であだ名で呼ばれている可能性があるのではないですか。
思い返すと,立ち読みの際に,「くっくっくっ」と笑いを堪えつつ読み進めていたことは数知れず,パンを選ぶ際に真剣なまなざしでパンコーナーを長時間うろうろしていたことは数知れず,あだ名つけポイントはふんだんにあったはずなので,どうせろくなあだ名じゃないですよ。
たとえば,私の行動全部ひっくるめて,週刊キモパンマンとか妙ちくりんなあだ名で呼ばれていた可能性は高いですよ。
ということは,一番最初に書いた「いつもありがとうございま〜す」のくだりの際にも,


店員A:(ほら…例のw)
店員B:(きたきた,週刊キモパンだよw)
店員A:「いつもありがとうございま〜す」
店員B:(くすくす,ぷすぷふーww)


というやりとりがあったかもしれないということですよ,うきゃー。

そんなことを想像してからというものの,一つのコンビニに行くことはせずに,少々遠回りになったとしても,私の顔が割れないように,複数のコンビニを利用するようになったのでした。