オヤジの話

で、その店に行った次の日はみんな寝不足でぐったりしているわけです。
そこにすぐ近くの席の上司がやってきて
「おおい、ヒゲ山。俺すごく体調が悪いんだよ。」
「はあ、大丈夫ですか。」
「はい。大丈夫です!隊長!」
「うわ、ダジャレですか。…それだけ冗談をいう余裕があれば大丈夫そうですね。」


こんな感じでオヤジギャグを飛ばす上司は基本的に軽くあしらうか、ソフトに突っ込むか
するようにしてはいるのですが、ほぼ毎日こんな感じでダジャレを言うのであまりにもつまらないときは
たまに聞こえない振りをしてそのまま流すわけですよ。



しかし、相手はさらに「おいおい、ヒゲ山。今のはこういうギャグだったんだからしっかり突っ込めよ。
なんでやねんと一言ですむ話なんだからさあ。」
と解説、ダメ出しとさらにひどいことを言ってくるので、それも適当に受け答えしているのですが
どうやら何回かこのようなことが続いたので、その上司は私のことをお笑い嫌いなやつだ
と思いかけているようなのです。


うーん。これは心外ですね。クロ高の山口のようなもどかしい気分です。
そもそも思うに、ボケというのは突っ込むべき価値のあるものには突っ込むべきなんでしょうが
突っ込む価値のないものは、ある程度冷たくあしらって構わないと思うのです。
そうでないと、ボケというのは安易なダジャレや下ネタという低俗なレベルに安住してしまいます。


また、ツッコミの側から考えるに、単に「なんでやねん」という安易なツッコミでは
「ボケの笑いをさらに増幅させるためにツッコミを入れる」というツッコミ本来の役割が薄れてしまいます。
ツッコミは「つまらないボケのフォローをするためのもの」という目的が主ではありません。
それに相手のボケの性質を理解したうえでのツッコミでないと、突っ込む側の能力も衰えてしまいます。


なので私の本音としては「おやおやオヤジ入ってきてますねえ」とか「さぶっ」とか
言いたいときも多々あるのですが、相手が上司なわけなのでさすがにそれができず、
もどかしい思いをする毎日なのですよ。
相手が上司だけに、じょうしようもない話なのですが。