デースデイ

①《舞台・春真っ盛りの弘前城にて》


はらはらはらり(桜が舞い散る音)


うわーい。
今日で4分の1世紀生きたことになるよ。
うひょひょひょひょひょひょ。


「おめでとう!」
「おめでとう!!」
「おめでとーう!!!」
(らくがきで書かれた顔の紳士・淑女が次々と私を祝福する)


②《舞台・「死の世界(Aらい氏談)」こと、青森冬の町にて》


ビュゴー!(氷の粒が吹雪く音)


はぁー。
憂鬱だ。
早死にはしたくないけど長生きもしたくないという贅沢なこの願い。
こうなったら死神と目の取引をして寿命を適度に減らしますか。



③《舞台・火葬場にて》


もし、私が霊体になったら、上から自分の体を見下ろして肩をたたき
「そこそこの人生でしたね!グッ・ジョブ!!」
と言ってやりたい。
だから、そこそこでほどほどの、そんな人生をおくれるよう、余生をがんばりたい。
とりあえず、ヒゲ山生誕25周年を記念して、私が愛読している漫画の一つ、しりあがり先生の
「瀕死のエッセイスト」という作品の中から、タイトルが「ごめんなさい」という回の主人公の
セリフを抜粋しておこうと思います。


(前略)
病人がヘソを出す
君たちのその輝く日々の
私は黒い染みである


我とともにヘソを出すか
さもなくばそのヘソをしまえ
つつましく生きよ
死にゆく者を狂わせるな
若さのうちに老いを知れ


少女の目は
「そんなことはわかっている」
といった


メメント・モリ(死を想え)!!」


少女の目は
「わかっている!!」
といった



おかあさん・・・・・


かつて
おかあさんから
生命をもらった
このヘソの奥は
いまや
くさってしまいました


何も成さないうちに


くさってしまいました



ごめんなさい



ごめんなさい……